振付師トワイラ・サープ氏より、「成功と失敗」と「クリエイティビティーのモチベーション」について.
TT: 「クリエイティブ」という言葉は、時にはとても一般的な言葉であります.私はダンサーに「その部分はつまらないから、もっとクリエイティブになって」とは言えません.「その部分はつまらない.タイミングがずれていて、4拍子ではなく6拍子で踊ってるから、変えてみて」や「持っているイメージが違う.何を考えて踊っているの?このイメージで踊ってみて」、と言うしかない.とにかく具体的に言わないといけません.
BeetTV: 失敗というのは誰もが経験するものであり、誰でも学ぶものがあります.失敗とは何か、そして失敗をどうやって味方につけられるかを教えてください.
TT: 多くの場合、失敗とは何かをやってみたけどダメだった時です.そこには、学ぶものがあります.成功とは、何かやってみて、その何かはいつもと同じことかもしれないが、それが上手く行った時です.それもいいですね.自分自身で選択できるのです.何かに挑戦してみて、今回はダメだった、と.あなたの性格は「もう一回、もう一回とやってみよう」と言い、知性は「何がダメだったのか?どうあるべきだったか?」を主張する.
BeetTV:クリティブな人は、何かをクリエイトするモチベーションがあるから活動をします.同時に、評価されたい、という気持ちもありますよね.人に好かれたい、メディアに取り上げられたい、すごいと思われたい、と.すごいと思われたい、という気持ちが強すぎて、クリエイティブなプロセスを邪魔することがあります.
TT: そうですね.
BeetTV: なので、ある意味、一人でクリエイティブにならなければいけないけど、観客や世界を意識しなくてはならない、と.危険な道ですよね?
TT: 危険な道ですし、その意識が高すぎる人、もしくは別のものを得ようと思って活動をする時・・つまり、認知されたい、賞賛を浴びたい、グラマラスでありたい、金儲けをしたい、成功を手に入れたい、など.目の前の仕事をして、これらのものが付いてくるかどうかを見るのではなく、ですね.
好奇心を持ち、他の人も興味を持つと信じて活動をすればいいのです.私の場合は、ダンスを創ることですね.そこに誠意と誠実さがあり、真剣に何かに挑戦したのであれば、(他の人も興味を持つだろうという)あなたの感が当たっていることが分かるでしょう.そこに素晴らしいフィーリングがあれば、人々はそれを感じ取ります.そうしたら、その他もろもろは付いてくるものです.
でも、XXXドル稼げるだろうという考えでスタジオにいるのであれば・・XXXドルというのは、ダンスを創ることと一切関係がありません.しかしながら、XXXドルというのは、スタジオ代を払い、ダンサーを雇い、何かしら自分の収入を作り出すこととは大いに関係がありますね.だから確かに、難しいところではあります.
私はラッキーでしたね.最初のころは、ダンスを創ることしか考えていませんでしたから.それが収入になり生活ができるなんて、これっぽちも思っていませんでした.ただそこに好奇心を持っていて・・母親から速記のレッスンを受けたからタイプも出来るし、他のこともできるし、と思っていました.そして実際に他のこともやりましたよ.ダンスは挑戦しがいがあると感じたから、やっていたのです.ダンスで生活費を稼ごうなんて、最初は思っていませんでした.
プロフィール ( 白水社のページより.)
トワイラ・サープ(Twyla Tharp) : アメリカの偉大な振付家の一人。
1965年に振付家として活動を始め、以降、130以上のダンスを、自分のダンスカンパニーのためだけでなく、ジョフリー・バレエ、ニューヨーク・シティ・バレエ団、パリ・オペラ座バレエ団、ロンドンのロイヤル・バレエ団、アメリカン・バレエ・シアターのためにも振り付けている。
バッハ、ベートーヴェン、モーツァルトから、ジェリー・ロール・モートン、フランク・シナトラ、ブルース・スプリングスティーンまで、あらゆる音楽に振り付けており、彼女はモダンダンスとバレエをポピュラー音楽に融合させた先駆者である。
映画では、ミロシュ・フォアマンと『ヘアー』、『ラグタイム』、『アマデウス』で一緒に仕事をしている。テレビでは、『サープによるバリシニコフ』を演出し、二つのエミー賞を受賞。ブロードウェイの舞台では、劇場版『雨に唄えば』を演出し、2003年には彼女が着想して演出し、ビリー・ジョエルの歌に振り付けた『ムーヴィン・アウト』でトニー賞を受賞。
マッカーサー・フェローシップの受賞者であり、1993年にはアメリカ芸術科学アカデミーの会員となり、1997年にはアメリカ芸術文学アカデミーの名誉会員となる。ニューヨーク市在住。
代表作の一つ、「Movin’ Out」 (2:00あたりからが舞台映像です)
バリシニコフが踊る「Push comes to shove」.(若い!!)
今度、新国立劇場でやるそうですよ.(BALLET THE CHIC ―BALANCHINE, THARP, DUATO―)
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